乙ケ淵鉱山本坑はタングステンを目的に大正時代に採掘された鉱山であるが、この標本は本坑上部にある旧坑からのもの、錫を目的に試掘したと思われる石英脈があり、晶洞部分は完全に掘りぬかれている。この標本は水晶としてはマイナーなものだが、この水晶に伴われるフォイト電気石が、この産地の知名度を高めた。この標本にはフォイト電気石があまりついていない。フォイト電気石は淡緑色の3mmまでの球状集合体をなす。同一地域に近い尾平鉱山からも、このように内部がグレーがかった水晶が産出しているが、着色の原因は何であろうか、微細な電気石であろうか?
標本の大きさ約3センチ×4センチ×3センチ。 |
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