甲武信鉱山 (金峰金山)
長野県南佐久郡川上村梓山 |
甲武信鉱山は長野県南佐久郡川上村にある長峰(標高2065m)の主稜線および東斜面にあります(一部西斜面)。鉱床としてはスカルン鉱床で、 柘榴石中の金を目的に、古くは戦国の頃から、近代においては、昭和初期に住友金属鉱山によって採掘されました。
この鉱山の山域には、非常に多数のスカルン露頭が存在し、日本離れしたスケールの鉱物が産出することで有名です。鉱物コレクターの間では、水晶を目的に採掘された川端下水晶坑が有名で、甲武信鉱山側は道らしき道が無いこともあり、あまり知られていませんでした。現在でも案内者がいないと迷うことは必定です。日本金山誌や信濃鉱産誌にも記述がありますが、採集に役立つ資料としては 関東鉱物同好会の記事が唯一 存在したぐらいのものです。 この山域で仲間たちと探査を何十回となく行い、従来知られていなかった露頭や旧坑を多数発見しました。私自身もスキャポ露頭を発見する機会を得ました。それまでの柱石は、川端下水晶坑で水晶やスカルンに随伴して産出する変質したものが一般的で、透明感のある新鮮なものはなかなか難しかったのですが、この露頭においては新鮮なものが多産します。この露頭からは日本新産の灰柱石も採集され、周辺部のいろいろな新露頭 やズリの発見のもとともなりました。 同伴者と2人で未知の領域に足を踏み入れ、たたいた跡の全く無い露頭やズリを見つけ、柱石の結晶塊を見出 した時の感動は忘れ得ません。この山はいまだに奥深く、まだ見出せていない露頭が多数存在するはずです。これからも我々コレクターに新発見のチャンスを与え続けてくれることでしょう。 現在は川上村内の湯沼鉱泉にて入山手続きが必要です。宿泊者は無料、訪山のみで1000円となっております。無断入山しないようにしてください。 現在までに確認されている鉱物 石英 高温石英 水晶 緑水晶 日本式双晶 氷長石 灰鉄輝石 灰鉄柘榴石 珪灰石 硫砒鉄鉱 磁硫鉄鉱仮晶 へスティング閃石 硫砒鉄鉱 砒鉄鉱 灰重石 燐灰石 ベスブ石 曹柱石 灰柱石 磁鉄鉱 自然金 鋭錘石 クサビ石 方解石 緑簾石 緑泥石 鱗鉄鉱 透輝石 赤鉄鉱 ぶどう石 ホセ鉱 |