コレクターの方の終活として買わせていただいた京都府行者山の錫石。
私の鉱物事始めは行者山でしたので、錫石の結晶が身近すぎて、価値が分かっていませんでしたが、他産地の標本レベルを知り行者山が一級品の産地であることを再認識しております。
大谷鉱山の鉱脈群は鉱床の北側にあたる行者山山頂部から神前地区に錫石を多く産出する傾向があり、錫石の産地名として有名な繁ケイ坑も神前地区南側の峠近辺に存在します。
鉱脈の崩落に伴う砂鉱が有名で、多少摩滅した最大5センチの結晶(益富地学会館蔵)が知られていますが、沢流れの影響をほとんど受けていない箇所が一部にあり、このようにほぼ摩滅していない標本が産出しました。
グライゼン中の結晶のようで、分離性が良く、結晶面の保存状態が良いです。
標本の大きさ約1×2×1センチ。 |
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