鉱物鉱山用語辞典
鉱物・鉱石・鉱山に関する用語をまとめてみました。あ〜わ まで行ごとに分かれています。 |
あ行
石はね 鉱山の採掘がどんどん地下深くに進むと地圧が高まり、坑道の上部の山塊が厚い場合など、坑道の横の壁の石が自然の圧力で飛び外れること。鉱石を残しながらも、石はねにより閉山を余儀なくされた鉱山がある |
か行
がま または カマ 晶洞と同じ意味の言葉で、鉱物採集家にとってはこれを見つけることがどうかで採集の成果が決まる。鉱山関係者にとっては、坑道の中の隙間だらけの部分を指すことがあり、一概に晶洞のことを指す場合ではないこともある。 かます 鉱石を入れて運ぶための数十センチの木箱のことで、昔話にかます一杯取れたなどという表現に用いられる。坑道周辺などにいくつか捨てられていることがあり、運が良いと実際に鉱石が入っていることがある。 可採鉱品位 鉱山として採算の採れる鉱石の品位のこと。鉱石輸送コストや精錬コストや金属の市場価格によって異なるため、一定はしていない。鉱石の品位の高い鉱脈だけ掘れば良い様に思われるが、それではそういった鉱脈の枯渇により鉱山の寿命が縮むため、あえて品位のあまり良くない鉱脈の鉱石も混ぜて、ある程度の平均品位で出鉱することが多い。 軌道(きどう) トラック 鉱山で採掘した鉱石の搬出や人員の水平移動のために使用される専用電車線 げす げす板などとも呼ぶ、がま(晶洞)の中に生じた鉱物の結晶が生じた後の鉱化作用により、土台の部分がある一定の厚みで剥離しやすくなっていることがあり、がまが開いた際に手で拾えるようなことがある。そのような結晶集合体の板のような部分のこと。特に浮きげすと呼ばれるものは、平面的な晶洞壁面の結晶集合体ではなく、晶洞の中央部に浮いたような状態で産する立体的に結晶面に囲まれた鉱物結晶集合体のこと。最も上質。 坑道(こうどう) 鉱脈に到達するためのものや鉱脈そのものを追って岩盤中に掘削されたトンネルで、水平・竪・斜めの3種類ある。時代によって坑道の高さ(かせ)が異なり、江戸時代のはって進むような高さのもの、昭和30年代くらいまでは人員が立って歩ける程度のもの、現代は軌道を使用しないトラックレスマイニングのため、車が入り込める高さのものとなっている。当然ながら切羽と呼ばれる鉱脈や鉱体の部分以外の掘削にはコストをかけたくないため、古い時代のものほど、かせが低い。 鉱石 目的とするための金属鉱物や元素を多く含む石のことで、採算の採れる石として精錬にまわされる石のこと。鉱石として利用されない石は廃石として、坑道の充填物や坑道外に搬出され捨てられる。 坑内貯鉱 採掘時、搬出前に鉱石を一時的に保管しておくことがあり、そのようなものを坑内貯鉱と呼ぶ 坑内休憩所 鉱夫の休憩所として設けられる場所で、岩盤が固く落盤の危険の少ない広い場所に設けれられていることが多い。近年のものは、周りをとたんなどで囲まれ、一見坑内ではないような錯覚を覚える場所である。 鉱体(こうたい) 鉱石の集合部分が脈状ではなく、塊のように集合したもののこと。スカルン鉱床や正マグマ鉱床、含銅硫化鉄鉱鉱床の場合、見かけ上塊のように見える場合がある。数mから数百mまで規模はさまざまである。 鉱脈 岩盤の割れ目を充填して鉱石鉱物や脈石が脈状に沈殿固化しているもので、石英や鉱石鉱物が脈状をなす。これらの脈の垂直方向の傾きを傾斜、平面方向の向きを走向と呼ぶ。一般的に地下深くから地表に向けて、鉱石元素を含む熱水が冷えていく際に、圧力の変化と温度の変化、雨水を主とする水の混ざりによる酸性度の中和化などが起こり、沈殿していく鉱物や元素が異なる場合がある。鉱山地域では採算の合う鉱脈のみ採掘するため、有用鉱物を含まない鉱脈などは放置されていることがある。 |
さ行
晶洞(しょうどう) 鉱物の結晶が結晶している鉱脈の隙間や岩の隙間のこと。数メートルのものから数mmのものまで様々。鉱物採集家は、露頭を壊したり、転石を割ってまずこれを探す。 ズリ(廃石) 坑道の掘削や鉱石の採掘に伴い、同時に混じってしまう母岩や鉱石と利用されない品位の石を坑道の外に捨てたもの。坑道の直下に設けられる場合や坑道周辺が急峻で土地のない場合、架線によってより堆積物を受け入れられる場所に運ばれる場合がある。 |
た行 |
な行
直り 鉱脈の特に品位の高いところのこと。直利と書くこともある。富鉱体と同義。鉱脈の交差部分や傾斜が変わるところなどに形成されていることが多い。 |
は行
発破 坑道を掘削していく際に岩盤を破壊するために使用されるダイナマイトや爆薬のこと。 |
ま行
脈石(みゃくせき) 鉱脈の中でも目的とする鉱物以外の目的としない鉱物のこと。石英や方解石、緑泥石などであることが多い。鉱山としては捨てられる石であるが、鉱物コレクターにとっては水晶や方解石の結晶標本はとても魅力的である。 |
や行
焼け 黄銅鉱や黄鉄鉱といった硫黄を含む石が地表の気候変化にさらされ風化する際に硫黄分が酸素と結びついて生じる硫酸により、鉱石そのものが変質し、また鉄分が酸素と結合し生じる茶褐色の鉄さびによって、特有の外観を呈することがある。沢筋の遡行や露頭調査を行い鉱脈を探す場合、鉱脈の存在を示すひとつの有力な目安となる。 葉片状 鉱物の結晶の様子を示す言葉で、薄い板状結晶が交錯するさまや少し丸みを帯びた薄い結晶の様子を指す。 |
ら行
露頭(ろとう) 鉱脈や鉱物を含む岩が山に露出している場所のこと。 |
わ行 |